卓上のカレンダーが７月１日を告げている。

早巻きの夏が遅れてきた紫陽花の青を奪うかのように街の景色を急速に変えている。

控え目にエアコンをつけ、大げさに扇風機を回す。新聞がはためくのが煩わしい。

文章を読む季節・・・文月には程遠い７月が始まった。


初夏の美味、トビウオの卵　「アゴの子」

ボスの３大珍味のひとつだ。

子供の頃はよく食べた記憶がある。

今は漁獲量が減って、目玉が飛び出るような値段だ。

それでも隠岐に出かけた時には丼いっぱいも食べさせてもらった。

至福である。しかし今はなかなか手が出ない。ボイル以前にハードだ。

その「アゴの子」を醤油１、酒１、水３で煮込む。

出来たてのホクホク、ツブツブ感がたまらない。

ビールよりも絶対冷酒だ。

本格的な夏を前に最高気温も３０度を超え始めた。

毎年のことながら、ムシムシした寝苦しい夜で夏バテが始まっているボスである。

中途半端な眠りだと、嫌な夢も見てしまう。

久々ボスの夢の中にはアイツらが有象無象。

この場合は有馬無馬が正しいのかも。


こんなに暑くちゃお化粧がとれちゃうわ。もう嫌。（ｂｙすでにオバサン化してきたブエナビスタ）

ブエナ姉さん。ターフに出たら気持ちいい風が吹いていますよ。
そのキューティカルなタテガミをなびかせて走ってくださいよ。
皆が注目しているんですから。（ｂｙ心の中ではまったくそんなことを思っていないルーラーシップ）

ブエナ姉さん、緑のメイクで走ってよ。レディガガに見えるよ。（ｂｙ完全におちょぐっているエイシンフラッシュ）

いけねえ。踊ってたら芝が剥げてきた。怒られるな。何見てんだよ。（ｂｙマルマルモリモリを踊りながらリラックスしていたローズキングダム）

俺？ムックのつもり。
でもさあ、ブエナ姉さん、凱旋門のフランスで彼氏作って、今年いっぱいで引退したら。（ｂｙ早くいなくなって欲しいと願うアーネストリー）

私はローサじゃないわ。ゴマキでもないわよ。アパパネさんに勝つまでは辞められませんから。（ｂｙ強いとパッシングだらけのブエナビスタ）

フランスじゃねえだろう。名前からいって完全に南米だし。
ローズ君いつまで踊ってんだよ。芦田愛菜ちゃんと鈴木福君か。福。福永か。（ｂｙ幸運を呼ぶ込もうとするトゥザグローリー）

雨に濡れた紫陽花の葉にはカタツムリがよく似合う。

マーブル状に巻かれた殻、軟体の胴体、にゅっと伸びた触角。

動作を確認したくて時間を忘れるほど見入ってしまった。

映画にもなった「食堂かたつむり」を思い出した。

メニューを決めないその食堂に訪れる客と、言葉を失くした主人公。

出されるファンタジーのようなレシピが食欲をそそる。

食堂ではなく食道が求めてしまう。

この作品には出ていないが、私が夏に好むレシピを紹介する。


ナスを焼いたら熱を冷まし、皮をむいて、大皿の上に扇状に並べる。

有頭エビをゆで、剥き身はナスとナスの間に置く。

エビの頭をすりこぎでつぶし、オリーブ油を入れたフライパンに

生クリームと一緒に入れる。

塩コショウで味付けをし、冷ましたらナスとエビの上に垂らす。

涼を感じる一品だ。さあビールを流し込め。