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「おがっちの島根学講座!みたいな!」11月9日

2018.11.10 Saturday

投稿者:おがっち

地域が誇る、知る人ぞ知る、島根県内各地の魅力をご紹介しておりますしまね学講座今回は「出雲の玉」について。

担当は、島根県古代文化センターの松尾充晶さん。

・「出雲の玉」について。
まず、「玉」というのは、ひとことで言えば美しい石やガラスで作られたビーズで、特に3〜6世紀の古墳時代では盛んに用いられました。「昔の人」の絵、では必ず身につけて描かれていますよね。「玉」というと身を飾るアクセサリーのイメージがありますが、「たま」という音が「魂(たましい)」や「霊(たま)」に通じるように、古代社会では「玉」には特別な力があると考えられており、単なるアクセサリーではなく神聖なものとして大切に扱われていました。

古代でも「出雲の玉」はたいへん有名なブランド品でした。松江市の玉造温泉あたりが玉生産の中心地です。もともと玉の産地は北陸や近畿地方など各地にあったのですが、古墳時代の6世紀頃になるとそれらは全て衰退してしまい、出雲が全国でただ唯一の玉産地になります。出雲で作られた不思議なパワーをもつ玉が、全国の豪族たちの手にわたったわけで、古代国家の精神面を出雲が支えていた、と言ってよいと思います。


・「古代歴史文化協議会」について。
はい、じつは島根県を含む14もの県が「古代歴史文化協議会」を組織し、3年半の間、「古墳時代の玉」について共同研究をおこなってきました。それぞれの県はこれまで、自分の地域に関する研究はおこなってきたのですが、各県の枠組みを超えて14もの県が力をあわせて一つのテーマを研究するというのは初めての試みです。この協議会は島根県知事が会長を務めていまして、島根県はプロジェクトをリードしまとめていく立場として、各県の皆さんと共同研究を進めてきました。

・展覧会「玉―古代を彩る至宝―」について。
そうですね、共同研究の結果、これまでわからなかった古代歴史文化の大きな流れが見えてきました。玉は日本列島の中で重宝されただけでなく、海を渡って朝鮮半島に渡ったり、逆に東アジア全体の壮大な交流の中で日本に運び込まれた玉もたくさんあることがわかりました。こうした共同研究の成果を、ビジュアルにお伝えしようと展覧会を開催します。

「玉 −古代を彩る至宝−」と題した企画展が、東京両国の江戸東京博物館で現在開催中でして、12月9日までの会期です。
この企画展は福岡県太宰府市の九州国立博物館に巡回しまして、来年1月1日から2月24日までの会期となっています。
また地元島根県では、出雲市大社町の島根県立古代出雲歴史博物館にて、来年4月26日から6月17日まで、「古墳文化の珠玉 −玉は語る出雲の煌めき−」と題した企画展を開催します。ぜひ多くの方にご来館いただきたいと思います。

玉の共同研究をおこなってみて、日本全国各地に、それぞれの素晴らしい歴史文化があることを再認識しました。「出雲の玉」は島根県の宝の一つですし、ぜひあらためてその魅力に目を向けていただければ、と願っています。

・今日の一曲
Superflyの「タマシイレボリューション」


次回は12月14日の放送です。

http://fm-sanin.co.jp/retoro/index.php?e=1512
レトロ日記 05:49 PM comments (x) trackback (x)

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