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2015.04.11 Saturday
おがっちの「島根学講座!みたいな!」
このコーナーは、みんなで島根のことをいろいろ勉強していこう!というものです。
今回の担当は、隠岐・海士町から小坂真里栄さん。
・海士町の紹介。
海士町は、隠岐諸島のひとつ中ノ島にありまして、人口約2300人の小さな町です。本土からフェリーか高速船で約2〜3時間、コンビニは無く信号機は1つだけ、超がつくほどド田舎なんですが…最近は『ないものはない』という海士町のロゴマークや が安倍首相の所信表明演説で紹介されたり、都会からIターンする若者が異様に多いことでも全国的に注目されている、元気な町です。
都から来るといえば、鎌倉時代の後鳥羽上皇など、海士には高貴な方々がたくさん流されてきていまして、そのため貴重な歴史文化が多く残っています。 さらに、これは隠岐全体に言えることですが、おととし世界ジオパークに認定されたほど自然も豊かでダイナミックです。
・特産品の中でもおすすめの、いわがき「春香」について。
海士には「さざえカレー」や「隠岐牛」、白イカなどさまざまな特産品がありますが、海士ブランドの代表選手、今が旬の、いわがき『春香』です!
『春香』は、海に囲まれた海士の中でも特に水が綺麗でミネラル豊富な保々見(ほぼみ)湾で養殖されているいわがきで、出荷まで3年かけてじっくり育成するため身がふっくら大粒、濃厚でクリーミーかつ爽やかな味わいが特徴です。平成14年から販売を開始して、現在の出荷数は約30万個。今では首都圏のオイスターバーでも大人気です。
生での出荷は3月から5月だけですが、海士町にはCAS(キャス)凍結センターという特殊な冷凍加工工場がありまして、そこでCAS凍結された『春香』は旬の鮮度がそのまま保たれて、一年中美味しく食べられます。出荷数30万個のうち10万個はCAS凍結されて全国へ発送されています。
カキと言えば、あたるとこわい…というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、その点も『春香』は努力しています。 そもそも隠岐は日本でも有数の海が綺麗な場所なんですが、『春香』を養殖する「海士いわがき生産株式会社」ではよりレベルの高い安全・安心を追求していまして、湾の中でもノロウィルスのリスクが低い外洋に面した海域での養殖にこだわっています。さらに〜 出荷期間中の海水検査や、出荷前のいわがきを紫外線滅菌された海水で約2日間も流水洗浄するなど、徹底した衛生管理を行っています。いわがきの種を育てて赤ちゃんを育てて、海の中にロープで吊るしてさらに大きく育てて〜、 水揚げして殻を磨いて出荷するまでの作業工程すべてを一貫管理していまして、各工程の作業内容はきっちり記録されています。
そのような、安全・安心のための取り組みによってが評価されて、平成22年に島根県から「美味しまね(おいしまね)」認証も受けています。
その『春香』、栄養価が最も高くて味も最高に美味しい時期が3月から5月なので、生ではこの時期しか出荷しないという、まさに名前通り春のお楽しみです。
ぷりっとした食感が楽しめるこのいわがき、本格的に売り出す前にブランド名を関係者みんなで考えたとき、『プリンプリンちゃん』という名前も候補に挙がっていたそうです。ぷりっぷりの食感を伝えたかったんでしょうね。でもボツになりました。。
カキは海のミルクと呼ばれるほど栄養豊富で、タウリンや亜鉛、各種ビタミンやミネラルが含まれているので、疲労回復や、肝臓にも良いと言われています。
オススメの食べ方は、シンプルに生で、もみじおろしにポン酢。冷えた日本酒や白ワイン、ビールにも合います。その他、日本酒に一晩漬け込んでポン酢で食べたり、マヨネーズとケチャップを混ぜてタバスコを加えたオーロラソースで食べるのも美味です。そのほか炭火焼、フライパンで醤油炒めもアリです。
なおCAS凍結センターでは、『春香』のいわがきフライやいわがきグラタンといった加工品も商品化しています。通販サイトでは特にフライが大人気です。
今はちょうど旬の時期ですので、海士に来ていただけたら漁協の販売店で生の『春香』を買うことができます。ただし5月いっぱいです。CAS凍結のものなら年中購入可能ですが、CAS商品のインターネット通販は人気のため9月頃には在庫切れの可能性がありますので、ご希望の方はお早目にお願いします。
また海士町ではこの春から、漁協と観光協会のコラボ企画として、『春香』の育て方から生態、殻のむき方から美味しい食べ方まで、じっくり学んでたっぷり味わう体験型の観光プログラムが登場しています。
・今年は「ホーラエンヤ」大祭開催。
松江の『ホーランエンヤ』は有名ですが、海士にもよく似た名前の伝統行事がありまして… 海士の『ホーラエンヤ』は、豊田という地区の美保神社の祭礼で、大漁祈願の船渡(ふなと)御(ぎょ)神事です。今年は6年ぶりに、4月19日に行われます。
豊田区というのは中ノ島の北東部にある漁業が盛んな地区で、人口100人足らずの小さな集落ですが、今年18年ぶりに赤ちゃんが生まれ、そのお祝いムードの中での『ホーラエンヤ』になります。
豊田の美保神社は松江市美保関町にある美保神社の分社で、ご祭神は事代主神(ことしろぬしのかみ)つまりえびす様。海上安全、大漁満足、商売繁盛などの守護神です。
神社創建は嘉永5年(西暦1848年)で、豊田の『ホーラエンヤ』は基本的に旧暦3月3日に、創建当初からずっと続けられているそうです。このような深い美保明神信仰は海士町の他の地区には見られないものです。
祭りに関わる人々は数か月前から神楽や船を漕ぐ練習をして本番に臨みます。
当日の見どころはやはり船(ふな)渡御(とぎょ)です。まずは先祓いを先頭に、御旅(おたび)の御一行が道中神楽を舞いながら港へと進みます。波止に着いたら御舟に乗りこみ、それを舟方たちの漕ぐ舟が前方から引っ張って、港を右に一廻りします。舟方たちはダイナシと呼ばれる紺色無地の筒袖の着物を着て美保大明神の鉢巻をしめ、櫂を漕ぎながら勇ましく、「イヤッサーホーヨーイサー」などと囃します。親司(おやじ)と呼ばれる役の人が掛け声をかけ、舟方が応える形で進んでいきます。
御舟が再び波止に着くと神輿は上陸し、地区を南から北へぐるっと回ります。舟方の若者は派手な長じゅばん姿になり、大きな竹のササラを打って、祝い唄の「イッチャ節」を歌い踊りながら各家を回ります。
海士町の人・食・文化に触れてその魅力を実感してみてください。
・今日の曲
竹原ピストル「リョウジ」(海士町ライブバージョン)
海士町は音楽好きの若者が多くて、Uターンして家業を継いだ「なかむら旅館」の4代目、中村徹也さんは実力派ミュージシャンを本土から呼んでさまざまなイベントを企画しています。
この曲は、2012年10月に町内で行われたライブで演奏されたもので、海士町の替え歌にして歌ってくれました。
次回は4月24日の放送です。
http://fm-sanin.co.jp/retoro/index.php?e=1040
レトロ日記 10:02 PM comments (x) trackback (x)