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2016.07.10 Sunday
地域が誇る、知る人ぞ知る、島根県内各地の魅力を紹介するしまね学講座、今回は、島根県益田市にあります、島根県芸術文化センターグラントワから、伝統芸能「益田糸操り人形」についての情報です。
担当は、益田糸操り人形保持者会の三浦圭子さん。
・「益田糸操り人形」の歴史について。
明治時代に益田に伝わってきた人形浄瑠璃です。
人形の操法は、遣い手が高さ約1.5メートルの歩み板の上に立ち、丈約70センチの人形を上から糸で操ります。
益田の糸操り人形の特徴は、十数本の糸が「四つ目」と呼ばれる手板に付けられており、それを片手で持ちながら、もう一方の手で糸を繰って人形に微妙な動きを与えることで、細やかなしぐさによる感情表現ができるところです。
明治以前の形態を今も変えることなく伝えてきている糸操り人形芝居で、このような古い形で上演されているのは全国でも益田しか残っていないといわれています。昭和38年には島根県無形民俗文化財にも指定されました。
・「保持者会」の活動や地域での取り組みについて。
「グラントワ」にて定期公演を年間3回〜4回行っています。また、市内の小中学校や公民館での「出前公演」もしています。県内、県外からの公演依頼もあります。
・「益田糸操り人形」海外公演について。
5月に、イギリス、ロンドンにあるヴィクトリア&アルバート博物館で、初めての海外公演を行ってきました。
この公演は、イギリス在住で島根県の遣島使であるジョーンズ百枝さんが、島根の伝統文化をイギリスに広めたいという思いからこの益田糸操り人形を紹介したことで実現しました。
公演当日はジャパンファミリーフェスティバルというイベントの一つとして3回の公演で約900人のお客さんにご来場いただきました。
演目は親子の情を演じた「傾城阿波の鳴門巡礼歌の段」の他3演目でした。派手な動きはなく、また語りも日本語ということもあり、小さいお子さんにも物語が分かるように、途中で英語の解説を入れながら見ていただきました。
公演の後には市民の方とのふれあいの時間がありました。人形を舞台の前に持って出ると、子供達が寄ってきて糸や人形に触ったり、始めて見る人形にちょっと怖がって見ているお子さんもいました。また太鼓など鳴り物を体験するお子さんもいました。
公演に行くまでは、不安でいっぱいでしたけれども、みなさんの笑顔、拍手に言葉や文化は違っても何か伝わったものがあったのではないかと安心しました。ロンドンの方がとても興味を持って見て下さったことに益田では味わえない喜びを感じ、とても嬉しかったです。
・今後の予定について。
益田糸操り人形は後継者不足により、保存伝承が危ぶまれる時期がありましたけれども、最近では一流講師の方々による技術指導により、保持者会全体がレベルアップするとともに、後継者も少しずつ育っております。今後は国指定の重要無形民俗文化財を目指し更なる努力をしていきたいと思っております。
7月24日(日)「グラントワ」小ホールにて定期公演を行います。
演目は少女の悲恋を演じる「増補朝顔日記宿屋の段・大井川の段」の他2演目です。公演後にはワークショップもあります。
詳しくは、グラントワホームページを確認してください。
たくさんの方のご来場をお待ちしております。
・今回の一曲
竹内まりやの「いのちの歌」
次回は7月22日の放送です。
http://fm-sanin.co.jp/retoro/index.php?e=1210
おがっちの島根歴史学講座!みたいな! 07:50 PM comments (x) trackback (x)