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2018.03.24 Saturday
地域が誇る、知る人ぞ知る、島根県内各地の魅力をご紹介しておりますしまね学講座、今回は、出雲大社のお隣・島根県立古代出雲歴史博物館です。
担当は、古代出雲歴史博物館の主任学芸員 稲田陽介さんです。
・企画展「隠岐の黒曜石」について。
黒曜石とは、火山から生まれた天然のガラスです。
とても鋭く割れ、加工もし易かったため、狩猟採集をなりわいとした旧石器時代や縄文時代には槍先や弓矢の鏃、ナイフなどに利用されました。
日本は火山島なので、北海道から九州にかけて200ヶ所以上もの黒曜石の産地が確認されています。ですが、近畿地方から中国地方、四国地方にかけては不思議と黒曜石が採れる場所が少なく、今のところ唯一の産地が隠岐なのです。ですので、この地域に住む人たちにとって、黒曜石はとても貴重な石であったと思います。
今回の展示では、そんな貴重な黒曜石を、どのようにして手に入れていたのか、そして流通させていたのかを、旧石器・縄文・弥生時代を時代順に並べることで、その歴史のダイナミズムに触れていただきたいと思います。
今回は、日本を代表する黒曜石として、北海道白滝の赤い黒曜石や、長野県霧ヶ峰の透明な黒曜石、大分県姫島の白い黒曜石などを紹介します。また海外の資料として、アメリカやメキシコ、チリなどの資料も展示しております。
今回は展示資料のほとんどが「石」なので、写真撮影もできます。石以外にも、黒曜石が使われた時代をリアルにお伝えするために、当時狩猟の対象であったナウマンゾウの全身骨格模型や、動物の剥製も展示しています。迫力のある展示になっていますので、先史時代にタイムスリップしたつもりで、記念写真をとっていただきたいと思います。
隠岐の島でも、ナウマンゾウの牙や歯の化石が見つかっています。化石の年代は、4万年前~3万年前で、ちょうど人類が初めて隠岐へ渡った時期と重なります。ひょっとすると、最初に隠岐の黒曜石を見つけた人たちは、ナウマンゾウを追ってきた人たちだったのかもしれません。
3月24日と、4月4日、14日、21日と、4回の講座を企画しています。著名な研究者の先生達から、黒曜石にまつわる最新の研究成果を聞くことができます。ギャラリートークは、3月31日、4月28日、5月5日の3回予定しています。学芸員が展示の解説を行います。
黒曜石は、人類が日本に登場して以来、約3万年もの間、一度も途切れることなく使われました。今回の展示では、黒曜石の壮大な歴史と、人々の動きに触れていただきたいと思います。ぜひ、ご来館ください。
・今日の一曲
いきものがかり「ありがとう」
いくつか理由があるのですが、一つは、この展覧会を開催するにあたってお世話になった沢山の方々に、ありがとうの気持ちを伝えたかったからです。
もう一つは、私事になりますが、毎年娘とやっているピアノの連弾の曲が、この曲だったのです。仕事前や、帰ってからピアノの練習するのですが、毎日弾いているうちに、なんとなく自分の中でこの展覧会のテーマソングになったのです。いつか、またこの曲を聴いたときに、黒曜石展の事を思い出す日が来るかもしれません。
http://fm-sanin.co.jp/retoro/index.php?e=1431
おがっちの島根歴史学講座!みたいな! 05:07 PM comments (x) trackback (x)