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2018.07.14 Saturday
地域が誇る、知る人ぞ知る、島根県内各地の魅力をご紹介しておりますしまね学講座、今回は大名茶人として名高い「松平不昧」について。
今年は松江藩主・松平不昧の没後200年という事で改めてその存在が注目されています。
担当は、島根県立美術館の学芸専門官、松江歴史館の学芸専門監の藤間寛さん。
・松平不昧と茶の湯のかかわりについて。
大名茶人という定義ははっきりしていませんが、
その名のごとく大名の身分で茶を極めた人。例えば千利休の弟子、古田織部や小堀遠州、片桐石州などが有名です。
不昧は藩主の教養として、当時江戸幕府の「茶道」であった石州流の茶道を学びます。
財政の立て直しが成功するにつれ、茶の湯を深めた不昧は、流儀の勉強だけでなく、やがて名物茶道具の収集を行います。
名物とは古来有名な高価な茶道具です。
江戸時代には名物茶器がしばしば火災や災害、お家断絶などによって、消滅や行方不明になるのを惜しみ、
そこで不昧は記録や保護・保存によって未来に遺し、継承しようとしました。
茶道具の研究書の『古今名物類聚』(ここんめいぶつるいじゅう)を出したり、不昧の収集品は『雲州名物』と呼ばれ尊重されています。
今の文化財保護です。
お茶会を良くしたのは隠居後で、藩主の頃は記録があまりありません。
・不昧が影響を与えた作家や、彼を中心とした文化人について。
不昧は自分のお好みの茶器を作り、その際には収集品の中から素晴らしいものを直接見せて作らせます。そこで、優れた職人を育て、その後地域産業として育てました。例えば、楽山焼とか布志名焼です。
他には、お菓子やお茶、料理があります。
茶の弟子には、姫路藩主酒井宗雅が一番弟子としており、その弟で江戸琳派の絵師酒井抱一や御用絵師の狩野派などと交流がありました。
注目されるのは、明治に入ってから、近代の実業者で数奇者と言われた、益田鈍翁や根津喜一郎、五島慶太、小林逸翁などがこぞって不昧を信奉し、ゆかりの茶道具を収集しました。今は、それぞれ美術館が出来、公開しています。
・今年は没後200年、歴史館での特別展、美術館での企画展について。
美術館では、不昧公没後200年の特別企画として、「大名茶人・松平不昧展」を9月から開催します。これはお茶の展覧会として、国宝8点・重文7点を含む茶道具など136点を展示します。先行して4〜6月にかけて東京・日本橋の三井記念美術館で開催し、約4万人の来場者を見ています。
一方、松江歴史館では「松平不昧―茶のこころ」展が始まっています。
ここでは、不昧の書やお好みの茶道具、茶室など、また着用した着物など茶人不昧の人間像、人物像にも触れる内容になっていますので、お気軽にお越しください。
不昧は七代松江藩主で、藩の財政を立て直し、大名茶人として知られます。特に松江にとっては、現在のような文化都市として知られる基礎を作った人です。今年は没後200年という記念の年であり貴重な作品を借りられました。今後、このような規模で開催することはおそらく難しいと思いますので、郷土ゆかりの偉人の姿をご覧ください。
・今日の一曲
サザンオールスターズ「チャコの海岸物語」
次回は7月27日の放送です。
http://fm-sanin.co.jp/retoro/index.php?e=1470
おがっちの島根歴史学講座!みたいな! 01:55 PM comments (x) trackback (x)