松江77.4MHz 浜田86.6MHz 邑智80.7MHz 大田82.1MHz 石見大和86.9MHz 隠岐82.7MHz 鳥取78.8MHz 羽須美87.3MHz 用瀬77.2MHz 智頭83.4MHz
2011.12.10 Saturday
第9回のおがっちの「島根歴史学講座!みたいな!」
ちょっこし歴女のおがっちと島根の歴史と文化について学ぶコーナー。
今回は、「島根と異国とのつながり」について。
・スサノオノミコトについて。
古事記には、スサノオノミコトが、天界から追放されて、鳥髪の地に降り立たれたとある。
出雲国風土記を参考に考えると、鳥上山、現在の船通山のことらしい。
ところが、日本書紀の一書の中には、これとは異なる伝承がある。
高天原から追放されたスサノオノミコトは、こどものイソタケルノカミとともに、朝鮮半島の新羅の国に天下って、
のちに、赤土で造られた船で東に航海して日本に渡って、簸の川上にある鳥上の峰に至ったと記されている。
古事記は、稗田阿礼が口ずさみで伝えてきたものを太安万侶が書き残した。
日本書紀の方は、そのあと、編纂されているので、そこに、いろんな考えがはいったのかもしれない。
あるいは、本文に記されている伝承とは異なる伝承も併記しようという意図もあったのかもしれない。
研究者の間でも、古事記と日本書紀の内容の違いについてどういう意味があるんだろうと、いろいろな議論がされている。
・朝鮮半島から渡ってこられたスサノオノミコト一行が、どこから上陸したか。
石見地方にいくつか、「ここから上陸された」といわれている場所が残ってる。
例えば、大田市の五十猛町には、スサノオ一行が舟をつないだといわれる神島、上陸した浜辺の神上、スサノオと子ども達が別れた神別れ坂という名前が残ってる。近くにはスサノオノミコトを祀る韓神新羅神社やイソタケルを祀る五十猛神社や他にもいくつか、由来のある神社がある。
・出雲市平田の日本海側にある猪目洞窟について。
猪目洞窟は、出雲国風土記に載っている。
「夢にこの磯の窟の辺に至る者は、必ず死ぬ。
故、俗人古より今に至るまで、黄泉の坂、黄泉の穴と名づくるなり」
これは「夢で猪目洞窟に行った者は必ず死ぬ、ここは黄泉の穴である」という意味。
・海外との交流について。
昭和23年に、この猪目洞窟から、弥生時代から古墳時代にかけての十数体の人骨や、土器、木製品などが発見された。
なかには、男性の人骨で、右腕に貝でつくった腕輪を着けたものもあって、古墳時代のものらしい、丸木舟もあった。
地元の人の話では、海上生活者、朝鮮半島と行き来をしていた人たちのお墓ではないか。
洞窟の大きさは、幅が30m、奥行きは30m。奥へ行くに従って天井が低くなっている。
この近くには、韓竈神社があり、スサノオノミコトがまつられている。
スサノオノミコトは、新羅から「植林法」と「鉄器文化」を伝えられたとという説もあって、カラカマというのは朝鮮から渡来した「釜」のことらしく、何らかの形での大陸との交流があったのではないか。
・今日の1曲。
角松敏生さん「Always Be With You」
出雲市出身、錦織良成監督の島根3部作の第1作目の作品「白い船」の主題歌。
次回は12月23日の放送です。
http://fm-sanin.co.jp/retoro/index.php?e=569
おがっちの島根歴史学講座!みたいな! 02:12 AM comments (x) trackback (x)