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2014.12.03 Wednesday
おがっちの「島根学講座!みたいな!」
このコーナーは、みんなで島根のことをいろいろ勉強していこう!というものです。
今回の担当は、はまぐり先生。
・冬の海の幸を代表する「松葉ガニ」について。
山陰地方で「松葉ガニ」といわれているカニは、産地によって違った名称で呼ばれています。標準和名は「ズワイガニ」といいます。「ズワイガニ」は、日本海のほか、太平洋やオホーツク海に分布し、水深200mから500m前後の、冷たく深い海に生息しています。
このうち、山陰沖で獲れる成長したオスの「ズワイガニ」のことを「松葉ガニ」と呼んでいます。「松葉ガニ」という名前の由来は、「細長い脚の形や脚の肉が松葉のようにみえるから」とか、「脚の殻をはいで、水につけると松葉のように広がるから」など、いくつかの説がありますが、いずれも定かではないようです。
メスのカニは「親ガニ」とか「セコガニ」と呼ばれ、オスとは区別されています。大きさも、オスは甲羅の大きさが15センチ、脚を広げた長さは80センチくらいになりますが、メスは甲羅の大きさが8センチほどにしかなりません。メスは、成熟して産卵を行うようになると脱皮しなくなり、もはや大きくならないのだそうです。
日本海の「松葉ガニ」漁は、ほとんどが「底びき網」という漁法で行われていますが、島根県では、主に「カゴ」漁業によって漁獲しています。サバやイワシなどを餌にして、餌に誘われてカゴの中に入ってくるカニを捕まえる漁法です。カゴ漁業は、底びき網のように網で曳くことがないため、傷がなく、活力・鮮度が良く、形が整っていると言われています。
島根県では隠岐の島周辺の海域が主な漁場となっています。漁期は、11月から3月中旬ころまでで、今年の解禁日は、底ひき網が11月6日、カゴ漁業の解禁は11月23日でした。市場に松葉ガニが出回りはじめています。
カニによって身の入り方などが違うことがあります。
島根県水産技術センターでは、この身入り状態を客観的な数値で示す方法を開発し、さらに近赤外線という光を使って、カニを破壊する事なく身入りを測定する技術も開発しています。殻の上から近赤外線をあてて、その反射波から食べる部分の筋肉の水分含有量を測定し、その量により品質を判定します。水分が少ないと、高品質のカニである「硬(かた)ガニ」と判定します。
身入りが数値で示されると、一般の消費者も購入しやすいと思います。この普及への取り組みも開始されています。
また、隠岐の島周辺でかご漁業により捕獲し、大きさや身入りなどの基準により厳しく選別された「松葉ガニ」を、『隠岐松葉ガニ』としてブランド化に取り組んでいます。漁獲した漁船の船名と、『隠岐松葉ガニ』の名称が表示されたタグを取り付けて認証しています。
お手頃な値段で手に入るカニを紹介します。
「水ガニ」と呼ばれる脱皮して間もない甲羅の柔らかな「ズワイガニ」や、メスの「ズワイガニ」である「親ガニ」は、値段も手頃です。親ガニを使った味噌汁はとてもおいしいですね。
また、「ズワイガニ」に近い種類で「ベニズワイガニ」があります。「ベニズワイガニ」は、「ズワイガニ」よりも深い水深1000m〜2000mくらいの海に多く生息しており、島根県の漁獲量は全国で最も多くなっています。肉質がやや水っぽいことや鮮度落ちが速いために「ズワイガニ」よりもかなり安い価格なっています。しかし、鮮度と身入りがよいものは、独特の甘みがあり、おいしいです。また、カニコロッケやフレークなど、加工食品に多く利用されています。
冬は、ゆでたり、焼いたり、鍋物にしたり、いろいろな料理でおいしくいただけるカニを是非、味わってください。
・今回の一曲
PUFFY 「渚にまつわるエトセトラ」
次回は、12月12日の予定です。
http://fm-sanin.co.jp/retoro/index.php?e=990
おがっちの島根歴史学講座!みたいな! 09:03 AM comments (x) trackback (x)