カレンダーをめくると薄紫色が目にやさしい。
鮮やかな紫陽花の画像が６月を飾りたてている。
青のグラデーションが清涼感を与えてくれるのか、
視覚のソーダ水のように爽やかになれる。
深呼吸をして目を閉じる。青が緑へ、緑が芝へ、そして奴らの登場だ。


マルセリーナ「わーい！やっと憧れのアパパネ姉さんと一緒に走れるうー！」

アパパネ「あら、あなた女子会以来ね。お元気？今回は女子の底力を見せてあげましょ。」

マルセリーナ「まかせてください。女子バレーの頑張りを見習って私も走りますよ。」

アパパネ「元気ねえ。でも私より前に出てはだめよ。わかっているわよね。」

マルセリーナ「は？は、はい。え？」

アパパネ「私はアパパネ様よ。あなたより後でゴールできないでしょ。」

マルセリーナ「（それってフェアじゃないなあ。）はい。それはもちろん！アパパネ姉さんが一番ですから。」

サダムバティック「冗談じゃねえぞ。誰が一番か今回は激戦なんだ。１位はマルセリーナかもしんないぞ。」

マルセリーナ「そうですよね。」

アパパネ「ふん、私を誰だと思っているの。アパ・・」

サダムパティック「パネさんよ。か？半ぱねえ。アパパネ姉は半ぱねえ。」

アパパネ「かたじけない。いやそうじゃなくて。私は半ぱなく走り抜けてみせるわ。アパパネ様よ。」


カタツムリのかぶり物をしたさゆぽんの声がする。
「ボス、ボス、トータルテンボス！メールが来やしたぜ。」
かたじけねえ。



ボスの「笑いの壷屋」
●サザエさんに「ブラック・ジャックのドクター・キリコ」が特別出演。
養子に入り磯野キリコになった。当時の面影は消えた。
●サザエさんに「哭きの竜」が特別出演。カツオがボクンチおいでよと誘ったが、「磯野家」の表札を見て「イーソーのチー」と静かに哭いた。
●サザエさんに「爪楊枝さん」が特別出演。一家全部がほじりだされた。
●サザエさんに「太陽」が特別出演。みんな燻製にされた。

街中の温度計が連日２５度を超えている。
車内の冷房を今年初めて入れて緑輝く街路樹の中をを走り抜けた。
日本海の波は穏やかで、海岸沿いに車を停めて窓を開けてみた。
潮の香りがする。
シーブリーズを頬に受けながら目を閉じると、いつのまにか眠ってしまった。


ワールドエース「ダービーだぜえ。今度こそは勝つぜえ。ワールドだろう。」

グランデッツァ「この前も言ったんだけど、君はワールドだからね。ワイルドじゃないからね。今度はふたのないマヨネーズ持っちゃって。」

ワールドエース「人参に睡眠薬を入れて他の出走馬に食わせたぜ。間違えて俺も食べたぜ。どうも眠いぜ。ワールドだろう。」

グランデッツァ「そんなこと本番前にはしないでね。」

ワールドエース「府中の芝に流そうと思って接着剤を買って来たぜ。途中で漏れて膝についちゃったぜ。離れねえぜ。エースちゃん今内股だぜ。ワールドだろう。」

グランデッツァ「やめなさいって。なんで俺がベタな突っ込みしなきゃなんないんだよ。」

ゴールドシップ「はいはいはい、どいたどいた。主役は僕なんだから。中間集計見てごらんよ。しかし気になるのはサシコだな。」

グランデッツァ「ダービーとＡＫＢの総選挙を一緒にしていいのか。」

ゴールドシップ「どちらも事前予測１位で確定。サシコ、サシ馬に要警戒すべし。」


波の音で目を覚ました。
海の向こうに黄金に輝く船「ゴールドシップ」を見た気がした。
よく見ると、サユポンだった。
「ボス！メールが届きました！」


ボスの「笑いの壷屋」
●ディーン元気に追い風
●チータの頭に円錐形の帽子
●ニコチンパッドに「今日から禁煙」の貼紙
●（トキのヒナ用）頑丈な巣にヨーロッパ型の社会保障制度
●（ダイエット用）シュガーカットに腹筋１００回
●ホームラン打者に金棒（統一球でホームランが出にくい今、文字通り金属バットが使えれば）

梅雨を思わせる湿気と草の匂い。
湧き立つモアモアは夏への誘いか。
早くも鳴き出したカエルの声を聞きながら一眠りのボスである。
するとやはり彼女達が現れる。西野カナ「私たち」を奏でながら。


ジェンティルドンナ「ヴィルちゃーん。ディープパパってすごいね。私たちの姉妹ビューティーパーラーがフランスの『桜花賞』で勝ったのよね。」

ヴィルシーナ「さすがディープパパだわ。オークスも私たち姉妹のものね。アイムちゃんわかった？」

アイムユアーズ「は？別に。」

ジェンティルドンナ「機嫌悪っ。エリカか。あなた休養したら。」

ヴィルシーナ「そうよ。エリカみたい。エリカって、この前のエリカ賞を勝ったのは私だったわね。ウフッ。」

アイムユアーズ「どいつもこいつもディープディープって、呆れるわ。」

ジェンティルドンナ「そんなことよりもＡＫＢの河西智美ってなに！２週続けて万馬券だって？」

ヴィルシーナ「ＡＫＢって夏になると元気よね。夏・・・サマー。ミッドサマーフェア！」


五月の空の下、３歳の若きレディー達が府中の森を駆け抜ける。
長く果てしない２４００ｍ。ヘルタースケルター、エリカの如く。


極彩色の夢を見たようだ。目がパチパチする。
「ボス！メールが来ました！」
よし仕事だ。サユポンは休養するなよ。


今週のボスの「笑いの壷屋」作品
●三匹の子豚　　→　ポーク絶対阻止計画
●ジャックと豆の木　　→　成層圏にようこそ
●親指姫　　→　イエーイ！
●ヘンデルとグレーテル　　→　私たち別腹よ
●白雪姫　　→　いやーん映ってる
●アラジンのランプ　　→　ジャジャジャジャーン！
●ピノキオ　　→　なんじゃこりゃ！
●赤ずきんちゃん　　→　ばあちゃん事情聴取
●赤ずきんちゃん　　→　もっと早く気づけよ
●舌切すずめ　　→　ラリルレロが言えない